オフィス移転に対応できる内装工事会社の選び方|2026年の依頼範囲と発注時期

目次
2026年のオフィス移転で内装工事会社に求められる役割とは
オフィス移転に対応できる内装工事会社とは、図面どおりに間仕切りや床壁を施工する業者ではなく、移転プロジェクト全体の工程に関与できる事業者を指します。具体的には、候補物件の内見段階でのレイアウト検証、天井高や電気容量・空調吹き出し位置の確認、新オフィスの内装・電気・ネットワーク工事、什器搬入と引越しの調整、そして旧オフィスの原状回復や残置物処理まで、範囲が連続していることが特徴です。通常の内装工事が『決まった区画を仕上げる』業務であるのに対し、移転案件は『動きながら決める』業務になります。ここが依頼先選びの難しさの正体です。
低空室率が意思決定のスピードを決めている
2026年6月時点で東京都心5区の大規模ビル空室率は1.11%、潜在空室率は2.50%、1坪当たり平均募集賃料は3万3,849円と8カ月連続で上昇しています(R.E.port)。集計主体が異なる三鬼商事の調査でも、2026年5月の都心5区空室率は前月比0.13ポイント低い2.07%で2カ月連続の低下となりました(日本経済新聞)。数値の水準に差はあっても、方向は同じです。
全国6大都市を見ると、東京23区1.5%、札幌市3.7%、仙台市4.6%、名古屋市1.9%、大阪市2.0%、福岡市5.3%と地域差があります。名古屋・大阪は東京に近い需給の締まり方で、札幌・仙台・福岡には比較的余地が残る構図です。いずれにせよ都心部では、良い区画は検討中に他社に決まります。結果として、物件を押さえてから工事に着手するまでの立ち上がりの速さが、内装工事会社を選ぶ実質的な基準になっています。
増床・分室型の移転が案件の中身を変えた
三鬼商事の調査では、空室率低下の背景として人員増加に対応する増床や分室の新規開設が相次いだことが挙げられています。また同一ビル内での館内増床によって空室消化が進んだ動きも確認されています(東京都宅建協会)。つまり今の移転は、まるごと引っ越す一括移転だけでなく、既存拠点を残したまま区画を足す形が増えています。稼働中フロアの隣で工事をする、同じ什器基準を複数拠点で揃える、といった条件が前提になるわけです。
本記事はこの前提に立ち、依頼範囲の切り分け、発注時期の逆算、比較の軸、契約前の確認事項という順で整理していきます。まずは自社の移転がどの型に当たるかを押さえてから読み進めてください。
移転対応も可能なオフィス内装工事企業(掲載32社)
当サイトに掲載している企業のうち、「移転対応も可能」に該当する32社です。
掲載は各社の許諾を得たうえで行っており、順位付けはしていません。
| 企業名 | 概要 | 対応範囲 |
|---|---|---|
| 株式会社LINEs AND ANGLEs | 私たちは、お客様からの様々な要件・要望から描いた「線=line」と、環境・創造性からの「視点=angle」を組み合わせ、新たな価値を生み出していくことで、お客様だけでなく社会へも貢献することが出来るような、クリエイティブな会社を目指していま… | レイアウト・空間設計が得意/小規模内装工事のみの対応が可能 |
| 47内装株式会社 | 「いつもの働くを楽しく」をビジョンに掲げ、オフィスの内装設計から施工までをワンストップで手がける専門企業です。グループ会社の47ホールディングスと連携し、オフィス仲介サービス「officee」などのネットワークを活用しながら、物件探しからデ… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/小規模内装工事のみの対応が可能 |
| 株式会社ヒトカラメディア | ヒトカラメディアは、オフィスや商業施設の空間デザインを通じて、企業の成長と働く人々の幸福を追求する会社です。クライアントのビジョンを具現化するために、デザインだけでなく、プロジェクトマネジメントやブランディング、マーケティング戦略まで包括的… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/不動産紹介から可能/小規模内装工事のみの対応が可能 |
| 株式会社清和ビジネス | オフィス環境の進化を支えるソリューションプロバイダーとして、多様なサービスを提供しています。オフィス移転やリニューアル、デザイン・レイアウト設計、家具販売など、環境空間構築に関するトータルサポートを行っています。また、教育施設や医療福祉施設… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/不動産紹介から可能/オフィス家具の手配も可能/小規模内装工事のみの対応が可能/大規模工事・PM管理可能 |
| 株式会社オフィス・ラボ | 東京都中央区に本社を構え、オフィス移転やレイアウト変更のプロジェクトマネジメントをトータルで手がける企業です。経験豊富なデザイナーが在籍し、企画・設計・デザインから施工、什器選定、引越しまで一貫して対応。顧客の課題に寄り添った提案力と高い課… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/オフィス家具の手配も可能/小規模内装工事のみの対応が可能 |
| 株式会社TRUST | 建築設計とインテリアデザインを専門とする企業で、クライアントのニーズに応じたオーダーメイドの空間を提供しています。住宅や商業施設、オフィスなど多岐にわたるプロジェクトに対応し、機能性と美しさを兼ね備えたデザインの実現が可能です。プロジェクト… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/小規模内装工事のみの対応が可能 |
| 株式会社ヴィス | 企業のブランディングと空間デザインコンサルティングに強みを持つ会社で、クライアントのブランド価値を最大化するためのクリエイティブなソリューションを提供しています。オフィスや商業施設のデザインを通じて、企業のアイデンティティを視覚的に表現し、… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/一括対応可能/原状回復工事可能/不動産紹介から可能/オフィス家具の手配も可能/大規模工事・PM管理可能 |
| 株式会社ミライズワークス | オフィス移転や空間デザインを中心に、働く場のトータルプロデュースを手がける企業です。「想像以上の感動を。」を企業理念に掲げ、オフィス移転プロジェクトマネジメント、設計デザイン、原状回復、情報セキュリティ対応など、多岐にわたるサービスを提供し… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/オフィス家具の手配も可能/小規模内装工事のみの対応が可能/大規模工事・PM管理可能 |
| 株式会社オリバー | オフィスの移転・改装を通じて企業のビジョン実現を支援するブランドです。コンセプト設計からデザイン、家具製造、内装施工、プロジェクトマネジメントまでをワンストップで提供し、サステナビリティやコミュニケーションを重視した空間づくりを行っています… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/オフィス家具の手配も可能/小規模内装工事のみの対応が可能/大規模工事・PM管理可能 |
| IRIS CHITOSE株式会社 | オフィス家具や教育施設向けの家具を製造・販売する企業です。多様なニーズに応えるため、機能性とデザイン性を兼ね備えた製品を提供しています。オフィスや学校、公共施設など、さまざまな環境に適した家具を通じて、快適で効率的な空間作りをサポートします… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/オフィス家具の手配も可能/小規模内装工事のみの対応が可能 |
| 株式会社MACオフィス | オフィスの設計・施工を専門とする企業で、企業のニーズに応じた快適で機能的なワークスペースを提供します。オフィスの新設、移転、リニューアルにおいて、企画から設計、施工、アフターサービスまで一貫したサポートを行います。最新のデザインとテクノロジ… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/小規模内装工事のみの対応が可能/大規模工事・PM管理可能 |
| 株式会社WM | オフィス環境の最適化を専門とする企業で、企業の生産性向上と働きやすい職場作りをサポートします。オフィスの設計、移転、リニューアルなど、さまざまなプロジェクトに対応し、クライアントのニーズに合わせたカスタマイズされたソリューションを提供します… | 坪単価 : 工事種別により変化/レイアウト・空間設計が得意/小規模内装工事のみの対応が可能 |
このカテゴリには他にも掲載企業があります。全32社の一覧は掲載企業ページからご確認ください。
どこまで任せるか|依頼範囲の切り分けと自社対応の線引き

オフィス移転は単一の工事ではなく、性質の異なる複数のタスクが並行するプロジェクトです。まずは要素を分解し、誰が担当するのかを一覧化することが、依頼範囲を決める出発点になります。
移転タスクの担当区分を先に決める
移転で発生する主な要素は、代表的なものとして次のように整理できます。
- デザイン設計・レイアウト計画(内装工事会社に任せやすい)
- 内装施工(間仕切り、床、天井、造作家具)
- 電気・照明・コンセント増設
- LAN配線・電話・ネットワーク機器の移設
- 空調・消防・防災設備(ビル側の指定業者になることが多い)
- オフィス家具の選定と調達
- サイン・エントランス表示
- AV機器・会議室システム
- 引越し(什器搬出入、廃棄物処理)
- 旧オフィスの原状回復工事
このうち空調や消防、分電盤に触れる工事はビル管理側の指定業者に限定されるケースが少なくありません。ネットワーク回線も通信事業者との契約が絡むため、内装工事会社が全て代行できるとは限りません。見積もり依頼の前に、ビル管理会社へ指定業者の範囲を確認しておくと、担当区分の空白が生まれにくくなります。LAN工事の流れや費用を把握しておくと、どこまでを内装側に含められるか判断しやすくなります。
一括発注と分離発注の向き不向き
一括発注は窓口が一本化され、工程の調整と責任の所在が明確になる点が利点です。特にAV機器や配線のように内装施工と干渉しやすい要素は、同じ会社が管理したほうが手戻りが減ります。一方で、専門性の高い領域が下請けに流れることで中間コストが増える場合もあります。
分離発注は各分野で最適な業者を選べる反面、工程の調整役を自社の総務・管理部が担うことになります。担当者の工数や社内の経験値を踏まえ、家具やサインだけを別発注するなど部分的な切り分けが現実的です。
旧オフィス側を同じ会社に含めるか
新オフィスの工事と旧オフィスの原状回復工事は、貸主指定の施工会社が決まっている場合を除き、同じ会社にまとめると什器の搬出時期と解体の順序を一体で組めます。指定が厳しい物件では別発注が前提となるため、賃貸借契約書の条項を早い段階で読み返しておくことが判断軸になります。
窓口が本当に一本化されるかは、提案時に工程表と各工事の担当会社名が明示されるか、現場管理者が一人置かれるかで見極められます。
発注時期の逆算|2026年の工期・労務事情を踏まえたスケジュール設計

移転は入居ビルの引き渡し日と旧オフィスの解約予告期間という二つの固定日に挟まれるため、余裕を作れるのは意思決定の前倒しだけです。そこで移転日を起点に各工程を逆算し、どこで判断が止まりやすいかを先に把握しておきます。
移転日からの逆算ステップ
- 物件内見とレイアウト検証:候補ビルの天井高、電気容量、空調区画を確認し、収容人数が成立するかを判断する段階。複数候補を比較するなら、この検証を契約判断の前に終えておく。
- 設計確定:ゾーニングと会議室数、配線ルートを確定する。ここが固まらないまま見積依頼に進むと、後工程すべてがずれる。
- ビル館内工事申請と承認:管理会社への図面提出、指定業者との調整、承認待ちの期間が発生する。承認前に着工できないため、審査回数の読み違いが最大の遅延要因になる。
- 施工:内装、電気、通信、空調の各工事が順に入るため、一工種の遅れが後続に波及する。
- 引越しと稼働:休日夜間作業の可否、エレベーター養生の枠取りで日程が縛られる。
- 旧オフィス明け渡し:原状回復と明け渡し立会いを解約日までに収める。
労務単価の上昇と法改正が示す前倒しの必要性
2026年3月から適用の公共工事設計労務単価は全国全職種単純平均で前年度比4.5%引き上げられ、加重平均値は25,834円となり初めて25,000円を超えました(国土交通省 報道発表資料)。また2025年12月に全面施行された改正建設業法では、民間工事でも著しく低い労務費の見積もりをなくすために標準労務費の運用が定められ、設計労務単価がその算定のベースに位置付けられています(日経クロステック)。つまり職人の手配は価格で無理を通せる領域ではなくなり、確保できる時期に合わせて工程を組む発想が必要です。移転が年度末や連休前に集中する時期は特に、直前の追加発注で人員を積み増す前提は成り立ちません。
遅れたときのリカバリー判断
遅延が見えた時点で、全体を後ろにずらすのか、工事範囲を分けて段階稼働にするのかを早く選びます。執務エリアを先行して稼働させ、会議室やサイン工事を稼働後に回す方法は現実的です。逆に旧オフィスの明け渡し日は動かしにくいため、原状回復の着手日は最優先で押さえておきます。
比較と契約前の確認事項|移転案件で見極めるチェックリスト

候補が3社前後に絞れたら、提案内容そのものよりも、提案を支える体制と数字の根拠を横並びで見比べます。以下の評価項目を、優先度の高い順に確認していくのが効率的です。
複数社を並べる際の評価項目
- 移転実績の中身:延床規模、業種、席数レンジが自社に近いか。加えて旧オフィスの原状回復まで一社で完了させた案件があるか
- 対応エリアと施工体制:どこまでが自社施工でどこから協力会社か。遠隔地の場合の現場巡回頻度
- 担当者の継続性:初回提案者が着工後も窓口として残るか、設計担当と現場管理者の引き継ぎ方法
- 見積書の粒度:一式表記の多さ、数量と単価の分離、拾い出しの根拠図面の有無
- 追加費用の発生条件:どの事象が追加になり、どの手続きで金額が確定するか
- 工事保証とアフター対応:保証範囲と期間、不具合発生時の一次連絡先と初動の目安
見積書の読み方と追加費用の確認
比較で最も差が出るのが見積書の内訳粒度です。内装工事一式のような表記が続く見積は、後から数量の食い違いが起きても検証できません。床面積や壁の延長メートル、配線口数といった数量単位が明記され、どの図面のどの箇所を拾ったのか説明できるかを確認します。追加費用については、既存躯体の想定外の状態、ビル側の指示変更、発注者都合の仕様変更といった類型ごとに、誰の承認で金額が確定するかを事前に文書化しておくと、工事中の押し問答を避けられます。
安すぎる見積りを疑う視点
公共工事設計労務単価には事業主が負担すべき必要経費分は含まれておらず、下請代金に必要経費を計上しない、あるいは値引くことは不当行為だと国土交通省が明記しています(国土交通省 報道発表資料)。他社と比べて突出して安い見積りは、単に企業努力ではなく、労務費や安全管理費の圧縮によって成立している可能性を疑うべきです。金額差の理由を職種別の人工数まで遡って説明できるかどうかが、健全な見積かを見分ける実務的な目安になります。
契約前の最終チェックと問い合わせ時の情報
- 工程表に担当会社名と現場管理者名が記載されているか
- 契約書に保証範囲、追加費用の手続き、遅延時の取り扱いが明記されているか
- 近隣や同フロアへの周知、廃棄物の処分方法が誰の負担か
問い合わせ時には、移転先の所在地と面積、想定席数、希望する移転日、現オフィスの契約終了日、任せたい範囲を伝えておくと、初回から比較可能な見積が揃います。
費用や条件を具体的に知りたい方はお見積りフォームから、進め方や業者選びから相談したい方はご相談・お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。









