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オフィス移転のスケジュール表|AV・LAN・電話の段取りと発注時期【2026年版】

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オフィス移転をAV・LAN・電話の3系統で捉える|2026年の前提整理

オフィス移転の工程表をつくるとき、多くの現場では内装スケジュールが軸になります。ただし内装工程だけを追っていると、設備系の手配が後追いになり、入居日になっても会議室が使えない、電話が鳴らないという事態が起こります。そこで本記事では、内装工程と切り分けて、設備側を次の3系統に分解して管理します。

AV・LAN・電話という3系統の定義

  • AV系統:会議室や執務エリアの表示機器(ディスプレイ・プロジェクター等)、マイクやスピーカーといった音声機器、ウェブ会議用のカメラ、それらをつなぐ制御・切替まわり。担当範囲は機器選定と調達、設置位置の確定、壁面・天井への取り付け条件の調整です。
  • LAN系統:フロア内の配線(情報コンセント、幹線、ラック)とネットワーク機器(ルーター、スイッチ、無線アクセスポイント)、およびサーバーラックの設置。担当範囲は配線ルートの設計と敷設、機器の設定です。
  • 電話系統:通信事業者との回線契約や移転手続き、ビジネスホン主装置とその設定、既存番号を継続利用するかどうかの判断。担当範囲は契約・工事手配と、構内側の機器設置です。

3系統でリードタイムの決まり方が違う

この3つを分けるのは、所要期間を左右する要因がそれぞれ異なるためです。AVは機器の調達期間に左右され、在庫状況や特注の有無で変動します。LANは内装工程への依存が強く、天井や床の仕上げ、什器レイアウトの確定を待たないと配線ルートを固められません。電話は通信事業者側の工事枠に依存し、自社の都合だけでは前倒しできない性質があります。つまり、自社で詰められる系統と、外部の枠に合わせるしかない系統が混在しているわけです。

Xデー起点で逆算する

本記事では、移転先での業務開始日をXデーと呼び、そこから何か月前・何週間前かで各タスクの着手時期を表します。X-6か月といえばXデーの6か月前という意味です。竣工日や引渡し日ではなく業務開始日を基準に置くのは、設備が使える状態になって初めて移転が完了したと言えるためです。

申込=工事日確定ではない

逆算管理で最も誤解されやすいのが通信工事です。申込を済ませた時点で工事日が押さえられたと考えがちですが、実際はそうではありません。NTT東日本は電話の移転申込後、申込者と契約者の関係確認や工事日について後日担当者から連絡する運用としており、申込時点で工事日が確定するわけではないと案内しています(NTT東日本 電話のお引越しの手続き)。したがって電話系統は、申込から工事日確定までの待ち時間も含めてスケジュールに織り込む必要があります。この前提を押さえたうえで、次章以降の時期別の段取りを見ていきます。

12か月前から移転後までの時期別スケジュール表|何をいつ着手するか

12か月前から移転後までの時期別スケジュール表|何をいつ着手するか

ここでは業務開始日(Xデー)から逆算した時期区分ごとに、AV・LAN・電話の3系統で着手すべき内容を並べます。内装工事の工程に連動する項目は、設計確定や天井・床の施工タイミングに合わせて前倒しが必要です。

12〜9か月前|契約と要件の確定

  • 共通:旧拠点の解約予告通知、新拠点の電源容量とEPS(電気・通信用の縦シャフト)位置の確認
  • AV:会議室数と用途別の要件整理(表示サイズ、Web会議の有無)
  • LAN:想定席数・無線アクセスポイント密度の概算、必要回線数の洗い出し
  • 電話:現行の番号数と契約種別の棚卸し、残す番号・廃止する番号の仕分け

8〜6か月前|基本設計と現地調査

  • AV:機器構成の基本設計、什器・壁面との干渉確認。会議室仕様の考え方はハイブリッド会議室の作り方も参考になります
  • LAN:内装図面と配線ルートのすり合わせ。天井内の経路やフリーアクセス床の有無は内装設計の確定待ちになるため、この時期の同席協議が要
  • 電話:通信事業者への現地調査依頼。ビル内の既存配管が使えるか、引込ルートが確保できるかで工期が変わります

新拠点の配管ルート確認を早期に行う理由は、ルートが塞がっていた場合に別経路の造作や管理会社との協議が発生し、内装工程そのものを組み替える必要が出るためです。

5〜3か月前|発注と申込

  • AV:機器発注。納期が読みにくい品目は代替機種を併記して承認を取る
  • LAN:配線工事の発注、ラック位置と電源の最終確定
  • 電話:回線の移転申込、番号を継続利用できるかの可否確認。NTT東日本では申込後に担当者から連絡が入る運用のため(前述の通り)、申込日と工事希望日は別管理にします

2〜1か月前|工事と撤去

  • 新拠点:回線の開通工事、LAN敷設、AV機器の搬入・据付。内装の仕上げ工程と重なるため、養生と入室順の調整が必要
  • 旧拠点:既設配線の撤去を原状回復工事と並行させます。撤去範囲はオフィスの原状回復工事ガイドで確認した上で、貸主側の要求と突き合わせておくと手戻りが減ります

直前・移転直後|設定と検収

  • AV:表示・音声の動作確認と調整
  • LAN:通信確認、無線の電波状況チェック
  • 電話:発着信と内線の設定確認

設定作業は自社で行うか事業者に依頼するかで扱いが変わる部分があるため、どちらで進めるかを発注前に決めておくと役割の抜けが起きにくくなります。

発注・申込のデッドラインと費用の実額|2026年時点の公式データで確認

発注・申込のデッドラインと費用の実額|2026年時点の公式データで確認

スケジュール表の中でも、金額と契約条件が絡む部分は後からの変更が利きにくい領域です。同じ工事でも申込方法や移行元の回線種別によって負担額が変わるため、ここだけは公式の公表値で確認しておきます。

申込チャネルで差が出る電話移転の工事費

NTT東日本の電話の移転工事費は、ホームページから申し込み客先に訪問しない場合で3,300円(基本工事費2,200円+交換機等工事費1,100円)、訪問して機器工事を伴わない工事の場合で22,000円(基本工事費8,250円+交換機等工事費1,100円+屋内配線工事費12,650円)と公表されています。ホームページ以外からの申込ではそれぞれ4,400円/23,100円となり、申込窓口を選ぶだけで1,100円の差が生じます(NTT東日本 電話のお引越しの手続き)。また公式FAQでは、移転工事費はおおむね2,200円〜11,000円程度で移転先の設備状況により変動し、局内工事のみなら2,200円程度、訪問工事が必要なら11,000円程度とされています(NTT東日本 公式FAQ)。移転先ビルの既存配線がどこまで使えるかで区分が変わるため、見積りは幅を持って置いておくのが安全です。

ひかり電話の初期費用と、自社設定で抑えられる部分

ひかり電話の初期費用は、交換機等工事のみなら基本工事費2,200円(ホームページ以外からの申込は3,300円)、訪問して機器工事を行う場合は基本額8,250円(同9,350円)です。宅内工事費が31,900円を超えるごとに加算額3,850円が付き、交換機等工事費は1利用回線ごとに1,100円かかります。ここで見落としやすいのが機器工事費で、PPPoE設定、内線等の電話設定、鳴り分け設定、無線LAN設定(SSID変更等)を事業者に依頼すると発生し、利用者自身で設定する場合は発生しません(NTT東日本 ひかり電話 初期費用)。社内に対応できる担当がいるなら、どの設定を自社で持つかを申込前に決めておくと費用の見通しが固まります。

移行元の回線種別と申込時期で変わる条件

加入電話およびINSネットからフレッツ光+ひかり電話オフィスタイプへ移行する場合は、契約料・基本工事費・交換機等工事費・屋内配線工事費・回線終端装置工事費などが無償化され、ひかり電話オフィスタイプ基本料金1,430円/月、フレッツ光ネクストは割引適用期間3ヵ月0円/月といった月額割引も適用されます。さらにVDSL方式/LAN配線方式から光配線方式へ移行する場合の交換機等工事費無料は、2026年2月1日申込受付分より戸建て向けが対象に追加されています(NTT東日本 法人向け 料金・初期費用)。こうした制度は申込受付日が基準になるため、条件の適用可否は申込の時点で決まります。費用面のデッドラインは工事日ではなく申込日だと捉え、自社の移行元と物件形態が条件に合うかを個別に確認しておくことをおすすめします。なおNTT西日本では、引越し手続きの工事料金は電話料金請求書に含めて請求されるため当日の現金準備は不要とされています(NTT西日本 お引越し・移転のお手続き)。

移転当日と直後のチェックリスト|遅延・手戻りを防ぐ確認項目

移転当日と直後のチェックリスト|遅延・手戻りを防ぐ確認項目

工程表どおりに進めても、最後の数日で手戻りが起きると業務開始日に間に合いません。当日と直後は、確認項目を紙やチェックシートに落として立会者が指差しで潰していく運用が確実です。

開通当日の立会いで押さえる項目

  • 工事区分の境界:事業者が担当する範囲と、自社または施工業者が担当する宅内側の範囲を、作業開始前に口頭で合わせる。境界が曖昧なまま着手すると、どちらも触らない配線が残る
  • 機器の設置位置と電源:ラックや終端装置の最終位置、電源口の空き、収容スペースを現物で確認する
  • 費用の精算方法:NTT西日本では工事料金が電話料金請求書に含めて請求されるため、工事当日に現金を用意する必要はないとされている(NTT西日本 お引越し・移転のお手続き)。立会者に現金準備を指示する前に、契約先の精算方法を確認しておく
  • 作業完了報告の受領:どの工事が完了し、何が未了かを書面で残す

AV・LAN・電話の検収項目

  • AV:各表示機器の映像出力、音声の出力レベルと定位、会議システムのカメラ・マイク・スピーカーの疎通、外部端末からの入力切替、遠隔拠点との接続テスト
  • LAN:全情報コンセントの導通とラベル照合、VLANごとの到達性、DHCP払い出し、インターネット出口までの疎通、無線は実機を持って各席で電波強度とローミングを実測する
  • 電話:代表番号と各直通番号への外部からの着信テスト、発信時の番号通知、内線の相互接続、転送や鳴り分けの動作、留守番応答の確認

よくある遅延要因と回避策

  • 工事枠が取れず移転日が動く:申込が工事日の確定ではないため(前述の通り)、希望日は候補を複数用意し、確定連絡を受けた時点で内装工程に反映する
  • 天井仕舞いが先行して配線が入らない:天井を閉じる日を内装業者から事前に取り付け、配線敷設をその前工程に固定する
  • 設定作業の輻輳:当日に全設定を詰め込まず、自社で行える設定は前倒しする

移転後1か月以内の残課題処理

未了項目は担当者と期限を付けて一覧化し、消し込み状況を週次で更新します。配線図、ラベル体系、機器のシリアルと設置位置、各種設定値、工事完了報告書は同じ場所に保管しておくと、増床や故障時の復旧が速くなります。

自社の移転規模に合わせた具体的な費用感を知りたい場合はお見積りフォームからご連絡ください。進め方や業者の選び方から整理したい段階であればご相談・お問い合わせフォームよりお気軽にご相談いただけます。

この記事の著者

AVシステム・オフィス内装考察家川端 こうき

AVシステム・オフィス内装考察家

川端 こうき

数多くのオフィス内AVシステム、音響、映像工事や内装工事の現場を見てきた経験から、読者が損や失敗をしないように情報を発信しています。
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